ニオブ-チタン合金超伝導

Firmetal, 2025-6-20 09:06:00 PM

ニオブチタン合金超伝導体は、その優れた総合的特性により、数千種類ある既知の超伝導体の中でも広く利用されています。現在、医療用核磁気共鳴装置や大型科学研究設備における超伝導磁石の主要材料となっています。ニオブチタン合金は、遷移元素の代表的な二元合金です。複数の遷移金属元素からなる高エントロピー合金超伝導体(TaNb)0.67(HfZrTi)0.33に関するこれまでの研究では、超高圧(100万気圧以上を超高圧と呼び、100万気圧=100GPa)下では、極めて安定した超伝導特性を示すことが分かっています。 ニオブチタンがこの高エントロピー合金の主成分であるため、超高圧下におけるニオブ-チタン合金の超伝導性を研究することで、高エントロピー合金における超伝導の微視的メカニズムへの理解を深めることができます。

超高圧下におけるニオブ-チタン合金超伝導体の超伝導性を体系的に研究しました。その結果、ニオブ-チタン合金は261.7GPaまでの圧力下でもゼロ抵抗超伝導を維持できることが示され、ニオブ-チタン合金が既知の超伝導体の中で最も耐圧性に優れた超伝導体であることが示されました。この圧力は、これまでに報告されている最高の超伝導圧力です。この圧力下では、超伝導ニオブチタン合金超伝導体の転移温度は常圧時の9.6Kから19.1Kに上昇します。合肥で行われた強磁場および高圧磁気抵抗実験の結果によると、圧力211GPa、温度1.8Kにおいて、臨界磁場は15.4Tから19Tに上昇し、これは遷移金属合金超伝導体における最高の超伝導転移温度および臨界磁場です。上海シンクロトロン放射施設で行われたシンクロトロン放射高圧X線回折実験の結果によると、圧力200GPaにおいて結晶構造は基本的に変化しませんが、体積は約43%圧縮されます。

上記の研究は、遷移金属元素で構成された合金超伝導体が安定した超伝導特性を有し、高圧下でも大きな変形に耐えられることを示しています。これは、銅酸化物や鉄系超伝導体における体積変化に対する超伝導の大きな敏感性とは対照的です。また、これは後期遷移金属元素(価電子殻のd電子が完全殻にある元素)の超伝導体の挙動とも大きく異なります。後者の元素では、体積の圧縮に伴い超伝導転移温度が低下します。

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