ニオブ合金は、ニオブをベースとして複数の元素を添加した合金で、以下の特性を備えています。
優れた機械的特性：ニオブ合金の強度は通常、純ニオブよりも高くなります。例えば、Nb-1Zr合金の常温降伏強度は300MPa以上にまで高めることができます。さらに、適切な成分設計と加工技術により、一定の靭性を確保しながら、純ニオブと同等、あるいはそれ以上の靭性を実現できます。一方、合金元素の添加によりニオブの結晶構造が変化し、転位運動に対する耐性が向上するため、硬度が向上し、耐摩耗性と耐傷性において優れた性能を発揮します。
優れた耐高温性：ニオブ合金は1700℃以上の高温にも耐えることができます。例えば、Nb-Si系合金は1200℃でも500MPa以上の引張強度を維持でき、これはニッケル基超合金よりもはるかに高い値です。航空機エンジンのタービンブレードや燃焼室などの高温部品の製造に使用できます。
優れた耐食性：ニオブ合金は、室温で塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、および酢酸やクエン酸などの有機酸に対して優れた耐食性を示します。また、エタノールやアセトンなどの極性有機溶媒中でも安定です。例えば、Nb-1Zr合金バルブはCl⁻を含む酸性媒体による長期の浸食に耐えることができ、Zr-2.5Nb合金は300～400℃の高温高圧水中においても優れた耐食性を維持します。
超伝導特性：一部のニオブ合金は優れた超伝導特性を有します。例えば、Nb₃SnとNbTiは伝統的な低温超伝導材料です。Nb3Snの臨界磁場は23Tに達しますが、NbTiは臨界磁場が低いものの、優れた可塑性を有し、冷間加工で成形可能です。どちらもMRI磁石や粒子加速器に広く使用されています。
